ACS、心カテだ!おっとその前に・・・

 

急性心筋梗塞の治療においては、
一刻も早くカテーテル治療につなげる事が重要です。

 

病着からカテーテル治療までの時間:
Door to Baloon Time(DBT)
は90分以内が望ましい。

 

なので、胸痛患者の心電図でST上昇を認めた場合、
多くの人は焦りながら緊急カテーテル治療へ向かいます。

 

しかーし!

 

カテへ行く前に、
抗血小板薬を内服する前に、
やっておかなければいけない事があります。

 

それは・・・

 

そう、急性大動脈解離を除外しておく事です。

 

急性大動脈解離(A型)の合併症として、
頻度が多くないですが心筋梗塞を起こす事があります。

 

大動脈解離に抗血小板薬が投与されると取り返しがつきません。
ですので、必ず除外しておく必要があります。

 

解剖学的に右冠動脈が閉塞する事が多いので、
下壁梗塞の場合は大動脈解離を気にする傾向にあります。

 

ただ、実際は左冠動脈も閉塞しうる、
ということは知っておかなければいけません。

 

ある程度経験を積んだ循環器医、救急医は
このことは分かっています。
分かっていますが、
DBTを短縮させようとする余り焦ってしまうためか、

 

時として大動脈解離の除外が甘くなってしまう。

 

そして、カテーテル検査で
初めて大動脈解離の診断がつき、
後手に回る。

 

こうならないためにも、

 

”心筋梗塞を見た際は大動脈解離を除外する事”

 

を頭の片隅に置いといて下さい。

 

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