くも膜下出血は経験した事はないが、
群発頭痛は、頭痛の中でも最強の痛みだと思う。
医学生時代、教科書の記載で、
「痛みに堪え兼ねて自殺してしまう人もいる」
という記載が鮮明に記憶に残っている。
若年男性に多いが、女性でも起こります。
結構有名な疾患だと思うが、
診断されるまで時間がかかるケースがあり、
十年以上も診断されなかったという報告もあります。
よく10年もあの痛みに耐えて来たなあと同情してしまう。
・特徴
就寝初期のレム睡眠で起きやすいが、昼でも起きる。
典型的には、片側の眼かをナイフでえぐられるような痛み。
個人的には
「焼鏝を目から頭に突っ込まれた」
「斧で頭を何回も叩き割られた」
というような表現が近い。
発作時間は30〜180分。
痛みに悶えて1-2時間後、発作頓挫後はに意識が飛んでしまう。(寝入ってしまう?)
発作中は痛みで暴れ回るため、端から見ていると気が狂ったようにみえる。
発作中は、患側に流涙、結膜充血、鼻閉、鼻汁を伴い、
これらは三叉神経症状と言われている。
ただ、発作中は痛すぎてそんなことわからない。
アルコールを飲むとほぼ100%発症。
体感的には30分〜1時間くらい。
発作期間中は酒を飲もうなどとは微塵とも思わない。
・治療法
予防:第一選択はワソラン240〜320mg/日(6〜9錠を分3)
プレドニン60mg
ミグシス
発作時:高濃度酸素、
イミグラン皮下中、
イミグラン点鼻(健則に投与)鼻閉のため
第一選択はワソランですが、なぜか他の薬が処方されることがしばしばあります。
ステロイド、ミグシス、デパケンなどがその例です。
ワソランが効かなくて、第二選択で処方されたわけではなかったです。
ワソラン副作用に、
徐脈・心抑制によるふらつき、
便秘・腸閉塞など
があるため注意が必要。
また、240mgでは予防効果が得られにくいため、
360mg服用することがすすめられる。
実際、自分で試したときも、
240mgでは発作がちょこちょこ起きていたが、
360mgに増量してからはぴたりと治まった。
ガイドライン上は、約60%に有効。
ワソランで予防効果が得られにくいときは、
ステロイドが次の一手。
予防効果はそれなりにあると思われますが、
副作用が少しつらいです。
イミグラン内服は内服してから1時間くらいしないと効いてこないので、
あまり有効ではありません。むしろ副作用による不利益の方が大きいです。
ひどい嘔気や胸部不快感が伴います。
高濃度酸素投与は速攻性・効果ともに高い。
吸入後、10分程度で発作が治まる。
しかし、個人的な印象としては、同日の再発作が多いように感じられる。
また、機序と関連があるのか分からないが、
酸素吸入による発作頓挫後は意識が飛びそうなくらい朦朧とします。
救急外来がない小規模な病院だと、本疾患があまり知られておらず、
発作時に受診してもすぐには診てもらえないです。
実際、私が受診したときも、
身分、病状を説明したにも拘らず1時間くらい待たされ、
診察時にはほぼ発作は消失していました。
ですので、予め対応医に発作時は早期に対応してもらえるよう
相談しておいた方がよいです。
イミグラン皮下注射はそれなりに効果は高いですが、
値段が高い(1回約3000円)ため、頻回の使用は望ましくありません。
少しでも痛い思いをせず、金銭的にも負担にならないように、
しっかりと予防する事が大切だと思います。
群発頭痛で悩んでいる方が、
一日も早く地獄の苦しみから解放される事を願っています。
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