バルサン中毒

 

もう過去のものなのかと思っていましたが、
現在でも主にゴキブリ駆除等で使われているようです。

 

今回、バルサン吸入後に呼吸困難となった例がありました。

 

バルサンは、
ピレスロイド系殺虫剤スプレーであり、
除虫菊に含まれる成分から精製されます。

 

昆虫類には毒性が強いが、
ほ乳類には毒性が極めて弱いので、
急性中毒を起こす事は稀と報告されています。

 

消化管からはほとんど吸収されず、
容易に肝代謝されます。

 

なので、なめた程度では全く問題なく、
自宅で経過観察可能です。

 

 

注意点は、以下の3点です。

 

①大量摂取では中枢神経刺激症状、
 痙攣発作を起こす可能性がある。

 

②石油系溶剤であるため、
 気管へ吸入した際には化学性肺炎を発症する。

 

③アレルゲンとして作用し、
 アナフィラキシーを起こすこともある。

 

 

治療法としては、

 

・吸入により化学性肺炎を発症して場合
  酸素投与、人工呼吸

 

・大量摂取にて痙攣発作を起こした場合
  抗痙攣薬投与、気道管理

 

・皮膚に付着した場合
  水と石けんにてしっかり洗浄

 

となります。

 

 

 

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